家事代行サービスが注目されているワケ

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世界でも類をみない超高齢社会に突入した日本。さらに、働き方改革によって社会構造が大きく変わっていきます。
こうした時代の流れのなかで、これから家事代行サービスがますます注目されていくでしょう。
ここでは、家事代行サービスが注目される理由をみていきます。

家事代行サービスが注目される理由を「社会背景」から探る

少し前まで、料理・掃除・洗濯などの家事は、家族のなかで行うこと、単身者であれば自分自身で行うこと、として多くの人が認知していました。しかし、社会の変化に伴い家事を「アウトソーシング(外部に委託すること)していく」考えが普及しています。ここでは、そうした変化を生んだ社会背景を説明します。

急速に進む核家族化と共働き世帯の増加

祖父母、両親、子供世代が同居していた大家族の時代から、「近年は夫婦とその未婚の子どもだけで構成される家族、または夫婦のみ、母(父)子家庭の核家族」の増加が急速に進み、家族形態が多様化しています。

共働き世帯も年々増加し、平成30年版の男女共同参画白書によれば、平成29年の共働き世帯は1,188万世帯にも及んでいます。核家族世帯では一人の収入で家計を負担することが難しくなり、共働きをして収入を得る必要が出てきていると考えられます。さらに、結婚・出産を機に会社を辞めずとも女性が働きやすい社会的環境が整ってきていることも、専業主婦が減り共働き世帯の増加を後押ししている要因のひとつです。

しかし共働き世帯にとって、家事は時間的にも精神的にも負担が大きくのしかかります。

そこで家事代行サービスです。

時間を切り詰めて仕事も家事も両立するのではなく、家事をアウトソーシングし、生まれた時間を家族とのコミュニケーションの時間に充てたり、「帰ったら家事をしなくちゃ」「せっかくの休みだけど家をきれいにしなくちゃ」と思う精神的負担を減らせたりするところが、家事代行サービスが注目を集めている理由のひとつです。

参考:内閣府男女共同参画局|男女共同参画白書(概要版)平成30年版

働き方改革による価値観の変容

一億総活躍社会の実現に向けて政府が働き方改革の実施を宣言したことで、まさに今、私たちは働き方における大きな変化の真っ只中にいます。また、働き方だけではなくさまざまな生き方を受け入れる価値観の変容も求められています。

仕事と生活の調和「ワーク・ライフ・バランス」の実現や人生100年時代を見据えた動きも広まってきました。企業や個人も仕事の効率をあげて育児、介護など家族と過ごす時間や、自己啓発や趣味など個人の時間をつくり、有意義に活用することが当たり前になる未来もそう遠くはありません。

家族や自分のための時間を作る方法のひとつとして、日々時間を要する家事のアウトソーシングがあります。今まで家事に費やしていた時間を自分のキャリアを向上させるために使ったり、家族や親しい仲間とのコミュニケーションの時間に充てたりして、時間の使い方もより合理的になっていくと考えられます。今後は今以上に「家事は家事のプロに任せる」という考えにシフトしていき、家事代行サービスの利用が増えていくことでしょう。

サービス面の向上で利用しやすさがアップ

家事代行が注目される理由を社会背景からみてきましたが、次はサービス面から注目される理由を探っていきます。

使いやすい価格帯が増えている

家事代行サービスは、国家資格など免許が必要ないため事業として参入しやすく、個人事業主から法人までさまざまな事業体がサービスを提供しています。そのため提供する側の数が増えて価格競争が起き、手軽な価格帯のサービスも増えているので、価格の面でも利用しやすくなっています。

以前は家事代行サービスといえば、お金持ちの富裕層だけが使うサービスというイメージもありましたが、今では誰でも気軽に利用することができるようになってきました。

サービスの種類が豊富

家事代行サービスの作業内容もさまざまです。掃除、料理を提供するだけではなく、ベッドメイクや洗濯、部屋の片づけや靴磨き、買い物やごみ捨てなど、サービス範囲は幅広いです。利用頻度も、毎週1回など定期利用だけではなく、大掃除の時や来客前だけなどスポット利用をすることもできます。

作業場所や範囲が決まったサービスプラン(例:水回りの掃除のみ、料理をつくるのみなど)や、決まった時間や価格のなかで依頼する家事をカスタマイズできるサービスプラン(例:3時間のなかで掃除、洗濯、買い物、靴磨きを依頼)などプランの種類が豊富なので、利用者側は希望にあったサービスを選びやすくなっています。

サービス提供者のスキルがアップしてきている

家事代行サービスは参入しやすい業界であるため、かつてはサービスの質を問う声もありました。しかし現在は、事業者側が適切な研修を行い、業界全体のサービスの質が大きく向上しています。片づけや掃除に関する民間資格などもあり、理論と実務経験に基づいた専門職としての社会的認知度も上がってきています。

利用者側と家事代行者側の人間関係が構築されれば、ただ単に家事を代行してくれる人というだけではなく、暮らしが快適になる提案をしてくれたり、利用者側のニーズをくみ取って細やかなサービスを提供してくれたりするケースも数多く見受けられます。

気軽に家事を頼める身近な存在に

家事代行サービスをどのような理由でどのような人達が利用するのか、これまでの筆者の経験からいくつか例をあげてみましょう。

  • 家事が苦手、家事に手がまわらない未婚の単身世帯
  • 自分たちで家事をこなしていたが、体が思うように動かなくなった高齢夫婦世帯
  • 子どもはいないが共働きでハードに働く夫婦のみの世帯
  • 諸事情により両親の助けを借りられない出産前後の夫婦、または夫婦と小さな子どもがいる世帯
  • 塾や習い事に熱心な子育て世代
  • 介護保険を使うまでに至らない、または介護保険と併用してより広範囲のサービスを利用したい高齢の両親をもつ世代

上記の例からみても核家族世帯の利用が多いです。
さらに、比較的近くに子どもや親類が住んでいる場合に自分が忙しくて手がつけられない家事があっても、迷惑をかけないようにと頼るのを遠慮していることもあります。
そんなとき、家事代行サービスなら気軽に頼みやすいということも、家事代行サービスが多く利用されている理由のひとつです。

まとめ

まだ家事代行サービスを利用したことがないのであれば、さまざまな家事をお任せできる家事の専門家を積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
あなたの家事に対する価値観も大きく変わるかもしれません。

執筆者プロフィール

有賀 照枝(ハウスクリーニング技能士・ライフアレンジニスト)

株式会社ハート・コード代表取締役。「部屋磨きは自分磨き、職場磨きはスタッフ磨き」をモットーに2007年から家事代行サービス・整理収納事業を展開。豊富な現場と講師経験を活かして、多方面から広くお片づけや家事に悩める多くの方々を救うお手伝いをしている。ジュピターショップチャンネル等メディア多数出演。著書に「片付けが苦手な子が驚くほど変わる本」(青春出版)

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