お盆はいつ?何をする?帰省に悩む人必見、話題のお墓参り代行とは?
2023年01月31日
日本古来の夏の行事として、各地で行われているお盆。ご先祖さまを家に迎え、改めて供養する慣わしです。この時期に合わせて会社や学校が休みになることが多いため、実家やふるさとに帰省してお墓参りをするのが恒例になっている人も多いことでしょう。
しかしいざ聞かれると、お盆が具体的にいつからいつまでなのか、何をする日か、またどんな由来があるのかについて、知らない人もいるのではないでしょうか。お盆の日程やしきたりをおさらいし、きちんとした知識を身につけてみましょう。また、コロナ禍で需要が増えつつある「お墓参り代行」についてもご紹介します。
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お盆はいつ?
毎年やってくるお盆ですが、カレンダー上に明確な日付の記載はありません。その理由は、地域によって日取りが変わるから。しかし、一般的には8月13日から16日の4日間とされています。
一方、東京の都市部(多摩地区を除く)をはじめ石川県金沢市の旧市街地、静岡市、函館市などでは、7月の中旬に設定されてます。また、沖縄地方では、旧暦に基づいてお盆の行事を行うため毎年日付も変わります。
なぜこのように日程に少しのズレがあるのでしょうか。理由は、もともとのお盆は7月15日に行われていましたが、明治時代に太陽暦が採用されたのをきっかけに新暦で行うか旧暦で行うかで違いが生まれたため。ほかにも、新暦のお盆が農繁期にあたることや地域によって梅雨が明けきっていないことなども理由とされています。お盆で親戚の家に行ったり、お墓参りの予定があったりする人は、行き先がどの日程のお盆を採用しているか事前に調べておくとよいでしょう。
お盆の由来を知ろう
お盆はいつから行われるようになったのでしょうか。
お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といって、インドのサンスクリット語の「ウラバンナ」(逆さ吊りの意味)を漢字で表したもの。「逆さまに釣り下げられるような苦しみにあっている人を救う」という意味があります。仏教の経典には、お釈迦様の弟子が地獄に落ちた母親を救うために7月15日に供養したというエピソードがあります。それが仏教の伝来とともに日本に伝わり、古くから根付いていた祖先の霊を祀る行事と融合し、現在のような形になったといわれています。
最も古いお盆の記録は、606年の推古天皇の時代。しかし当時は貴族や僧侶だけが行う特別な行事だったそう。それが江戸時代に入り、行事に欠かせないろうそくや提灯が安価に手に入るようになったことから、一般にも広まり、定着していったとされています。
お盆にすること
お盆はご先祖さまをお迎えし、供養をする期間ですが、実はお墓参り以外にもすることはいろいろあります。
まずお盆の入りの13日には「迎え火」を焚きます。「迎え火」とは、先祖の霊が現世に帰ってくるための目印とされている、玄関先やお墓で焚く火のこと。夕方か夜のはじめ頃に、オガラ(皮をはいである麻の茎)という木の枝状のものを焙烙の上で折って燃やします。火の扱いが難しければ提灯を掲げたりしてもかまいません。
14日、15日は現世に帰ってきたご先祖さまと共に過ごす日。仏壇に果物や甘味、お膳などをお供えしてもてなします。帰省した家族や訪ねてきた親戚と一緒にお墓参りをするのもこの日が多いよう。近しい人たちとともに故人の思い出話などをしながら過ごしましょう。
そして16日は「送り盆」といって、ご先祖さまを再び彼岸へと送り出す日です。無事に帰り着けるよう祈りながら、「迎え火」同様の方法で火を灯します。京都の「五山の送り火」や長崎の「精霊流し」など伝統行事として大々的に行う地域もありますね。ちなみに盆踊りも、もともとはご先祖さまの霊をなぐさめる念仏踊りがルーツといわれています。
このほか、お盆の前にはお墓の掃除をしたり、お花やお供え物を買って「精霊棚」と呼ばれるお盆の飾りを作ったりすることもあります。
ナスやキュウリに足を付けた「精霊馬(しょうりょううま)」はお盆の代表的な飾りのひとつ。ご先祖さまはこの乗り物に乗って現世に戻ってくるとされ、キュウリは馬、ナスは牛を表し、来るときは早く、戻るときはゆっくりという意味が込められています。
お墓参りの「代参」について
お墓参りはお盆の大切な慣わしのひとつですが、コロナ禍で帰省ができなかったり、遠方に住んでいて時間が取れなかったりする人も少なくありません。お盆にお墓参りができないのはなんとも寂しいものです。
お墓参りには自分の代わりに他の人に供養を依頼する「代参(だいさん)」という方法があることをご存知でしょうか。
「代参」は古くから行われており、たとえば江戸時代に大流行した「お伊勢参り」は、行きたくても行けない事情を抱えた人に代わり、地域ごとに代表者を決めて参詣をしてもらう方法が広く行われていました。親族に代わって菩提寺がお墓を守ったりお世話をしたりするのも「代参」のひとつのかたち。「代参」はご先祖さまに失礼でも、ましてや横着なことでもなく、昔から当たり前に行われてきた神仏への祈りの方法なのです。
現代ではさまざまな企業や団体がお墓参り代行サービスを提供しています。サービスの内容やプランもニーズに合わせて多様化しているため、お墓参りにいけず悶々としている人は、検討してみてはいかがでしょうか。
お墓参り代参サービスでやってもらえること
お墓参りの代行では、具体的にどんなことをしてくれるのでしょうか。ここからは大まかなサービス内容をご紹介します。
まずはお墓の掃除。墓石や備品をきれいに拭きあげ、敷地内に生えた雑草の除去も行います。風雨にさらされて汚れがひどい墓石の場合は、専用の洗剤を使ってより入念にクリーニングを行うオプションメニューを設定している業者もあります。
次に、献花やお供え物の準備です。しおれた花を捨て、花器を洗い、新しいお花を活け、お菓子などを供えます。お花の種類やお供え物は故人の好みのリクエストも可能。お参り後は片付けも行います。
そして、依頼人に代わり、お線香をあげて合掌、礼拝。形ばかりの代参にならないよう、心を込めてお参りしてくれます。
作業開始前と終了後には、お墓の写真撮影を実施。実際にどのように代参が行われたのかは、この写真とともに、後日、郵便やメールで報告が届く仕組みです。
これら一連のサービスは家事代行会社や清掃業者などが請け負っていることが多く、費用の相場は1回あたり1~1.5万円程度。依頼する場合はサービス内容や口コミなどを参考にしながら、信頼できる業者を選ぶようにしてください。
まとめ
お盆はお彼岸などと同様、ご先祖さまに手を合わせ、日頃の感謝を伝える大切な慣わし。ただなんとなく行うよりも、由来や具体的な作法について知識を持って行ったほうが、ご先祖さまにも思いが伝わるというものです。
また、時代のニーズに合わせ、お墓参り代行のようなサービスが誕生していることもご紹介しましたが、利用する側が意識したいのは「亡くなった方に思いを馳せ、敬う気持ちを忘れない」こと。
コロナ禍で家族揃って集まる機会が持ちにくい時勢ではありますが、形式にとらわれすぎずそれぞれの方法で行う供養が、新しい時代のお盆の形として定着していくかもしれません。